AI活用ツール・副業

音楽生成AI比較2026|料金・商用利用・音質で選ぶ5選

読了時間: 約16分

音楽生成AIの主要5サービスの月額を並べると、無料から$30の範囲にきれいに収まる。Suno Pro $10、Udio Standard $10、Suno Premier $30、Udio Pro $30。価格表だけ見ればほぼ横並びだ。

それなのに、実務で使うと結果が割れる。理由は料金ではない。生成した曲を書き出して外に持ち出せるかどうか、そして商用利用の許諾がどこまで及ぶか。ここが2026年に入って各社バラバラになった。

この記事は料金表の転記では終わらせない。各社の公式利用規約とレーベル契約の動きを追いながら、YouTubeのBGM、クライアント納品、MV制作という3つの用途別に、どれを選べば詰まないかまで落とす。

この記事の要点

  • 月額$10前後は5サービスほぼ共通。差は「クレジット単価」ではなくダウンロード可否と商用ライセンスの範囲に出る
  • UdioはUMG和解後にダウンロードを停止した。有料プランで商用利用権が付いても、書き出せなければ納品も配信もできない
  • 仕事で使うなら現状はSuno Premier一択。MV込みならGoogle Flow Music、実験用途ならUdioという住み分けになる

音楽生成AI 主要5サービスの一覧【2026年7月時点】

先に全体像を出す。各サービスの中間プランを揃えて並べたものが下の表だ。数字はいずれも各社公式の料金ページと利用規約に基づく。

サービス 中間プラン月額 無料枠 商用利用 ダウンロード 最大曲長
Suno v5.5 $10(Pro) 1日50クレジット Pro以上で可 制限なし 4分(延長可)
Udio $10(Standard) 月100クレジット 有料で可 停止中 15分(Sessions)
Google Flow Music
(Lyria 3 Pro)
$19.99(AI Pro経由) 1日50クレジット 全プラン可 3分
CraftMusic.AI プラン別(要確認) ドラフト試作まで 有料で可 非公開
Suno Premier $30 可(Studio付き) 制限なし 4分(延長可)

料金だけ見ると横並びに見える

$10のラインにSunoとUdioが並び、Googleは$19.99のAI Proに内包される。クレジット数もSuno Pro 2,500、Udio Standard 2,400とほぼ同じだ。ここだけ比べても選べない。

むしろ料金を軸にすると判断を誤る。安いプランを選ぶ。作った曲が1曲も納品できない。そういう事故が実際に起きる。

差は「持ち出せるか」に出る

表の右から2列目を見てほしい。Udioだけ「停止中」だ。これが2026年の音楽生成AI選びで最大の変数になる。理由は後半のセクションで扱う。

ここは見落としがちだが、商用利用の可否とダウンロードの可否は別の話だ。規約上「商用利用してよい」と書かれていても、ファイルを取り出す手段がなければ、プラットフォームの外では何もできない。

料金プランを実額とクレジット単価で比べる

結論から言えば、1曲あたりの単価はSunoが最も安い。ただし単価が意味を持つのは、月に100曲以上作る場合に限られる。

Suno v5.5の料金構成

Sunoは3段構成だ。無料は1日50クレジット、Proが$10で月2,500クレジット、Premierが$30で月10,000クレジット。生成曲数の目安はProで約500曲、Premierで約2,000曲になる(Suno公式の料金ページによる)。

Premierだけに付くのがSuno Studioだ。ブラウザ内で編集できる。MIDIも書き出せる。ステムは12本まで分かれる。下書きのつもりで作った曲がそのまま納品物になるかどうかは、ここで決まる。

Udioの料金構成

無料が月100クレジット、Standardが$10で月2,400、Proが$30で月6,000。1日の生成上限は無料プランのみ10クレジット(約3曲)に絞られる(Udio公式の料金ページを参照)。

Proに上がると同時生成スロットが5(10曲同時)まで増え、リミックス許可設定が使えるようになる。ピーク時間帯の生成キューで待たされにくくなる点も$30の内訳に含まれる。

Google Flow Music(Lyria 3 Pro)の料金構成

単体課金は存在しない。$19.99のGoogle AI PlusかAI Pro経由でしか触れない。その代わりPro経由なら月10,000クレジット、約2,000曲分がついてくる。無料のStarterでも1日50クレジットが付く(Google DeepMindのLyria公式ページにモデル仕様の記載がある)。

もったいないと感じるのが、最大生成長が3分に留まる点だ。フルコーラスの楽曲には短い。一方でVeoと連携すれば、曲と映像が同時に吐き出される。映像込みの成果物を作るなら他にない。

クレジット単価の実際

プラン 月額 生成曲数目安 1曲あたり概算
Suno Pro $10 約500曲 約$0.02(約3円)
Suno Premier $30 約2,000曲 約$0.015(約2円)
Udio Standard $10 約1,200曲 約$0.008(約1.2円)
Google AI Pro経由 $19.99 約2,000曲 約$0.01(約1.5円)

単価だけ見ればUdioが最安だ。しかしこの数字は、書き出せないという前提を計算に入れていない。使えない曲を1.2円で量産しても意味がない。

クレジット消費の落とし穴

どのサービスも1回の生成で複数バリエーションが同時に出る。「500曲分」と書かれていても、気に入る1曲に辿り着くまでに5回回せば実質100曲分だ。表の目安は生成回数であって、完成曲数ではない。

個別の料金体系はそれぞれの解説記事で詳しく扱っている。Suno v5.5の料金と使い方Udioの料金プランと使い方Google Flow Musicの料金と使い方を参照してほしい。

商用利用の条件はサービスごとに別物

商用利用の可否は「有料プランならOK」で片付く話ではない。所有権・利用権・書き出し権が分離しており、サービスごとに組み合わせが違う。

無料プランの商用利用は原則不可

Suno・Udioとも無料プランでの商用利用を規約で認めていない。YouTubeの収益化アカウントへのアップロード、SNS広告、クライアント納品物への使用はいずれも規約違反になりうる。

例外がGoogle Flow Musicだ。無料のStarterプランにも商用利用の許諾が付く。ここは地味だが効果が大きい差で、試作段階の曲をそのまま案件に流用しても規約に触れない。

所有権と商用利用権は違う

Sunoの規約を読むと、有料プランで付与されるのは商用利用権であって、楽曲の所有権はSuno側が保持する構造になっている。解約後も加入期間中に作った曲の商用利用権は維持されるが、所有権がない以上JASRACへの著作権信託はできない。

項目 無料プラン 有料プラン
楽曲の所有権 プラットフォーム側 プラットフォーム側(多くの場合)
商用利用権 なし 付与される
YouTube収益化 不可
JASRAC信託 不可 不可(所有権がないため)
解約後の権利 加入期間中の曲は商用利用権を維持

日本の著作権法での扱い

日本の現行解釈では、AIが自律的に生成した作品に著作権は発生しない。文化庁が2024年に公表した「AIと著作権に関する考え方について」でも、著作物性の判断には人間の創作的寄与が必要という整理を示している(文化庁: AIと著作権)。生成した曲を他人が無断で使っても、侵害として差し止める法的根拠は弱い。

BGMとして自分の動画に使う分には問題にならない。困るのは、楽曲そのものを商品として売る場合だ。独占的に扱えない前提で価格を組む必要がある。

クライアント納品前に確認する3点

  • 契約プランが商用利用を認める階層か(無料枠で作った曲が混ざっていないか)
  • 納品先が「AI生成物の使用可」か。広告代理店の案件では発注要項が明示的に禁じている場合がある
  • クレジット表記の要否。サービスによっては生成元の明記が条件になる

Udioのダウンロード停止という落とし穴

2026年の比較で最も実務に響くのがこれだ。UdioはUMGとの和解後、プラットフォーム上での全ダウンロードを停止した。Proプラン($30/月)に商用利用権が付いていても、ファイルを書き出せない。

なぜこうなったのか

経緯を時系列で見ると理解しやすい。2024年6月、UMG・Sony・WMGの3大レーベルがUdioとSunoを著作権侵害で提訴した。2025年10月にUMGとUdioが和解しライセンス契約を締結。業界初のライセンス型AI音楽プラットフォームに転じた。

和解の条件としてダウンロード機能が止まった。学習データを「ライセンス済み音源のみ」へ切り替える移行期間中の措置だろう。2026年7月時点で解除の公式アナウンスは出ていない(UMGとUdioの提携に関する一次発表を参照)。

時期 出来事
2024年6月 UMG・Sony・WMGがUdio・Sunoを著作権侵害で提訴
2025年10月 UMGとUdioが和解・ライセンス契約締結
2025年11月 WMGもUdioとライセンス契約
2025年12月 Merlin(インディーレーベル連合)が参加
2026年1月 Kobalt(音楽出版)が参加
2026年7月 Sony Musicとの訴訟は継続中。Sunoも係争が残る

それでもUdioを使う理由はあるか

ある。ライセンス契約を結んだプラットフォームで生成した曲なら、学習データの出所を契約書まで遡って示せる。企業案件で「学習データの適法性を示せるか」を問われる場面では、この一点が効く。

ただし現状は書き出せないので、社内でのデモや構成検討に用途が限られる。制作の本番ラインには置けない。

音楽生成AIを音質・日本語ボーカル・曲の長さで比較する

音質は3サービスとも48kHzステレオに揃う。スペック上の差はほぼない。選定で効くのは日本語歌唱の自然さと、編集の粒度だ。

日本語ボーカルの再現度

公式の言語一覧では、Udioが50言語以上、Sunoも日本語を掲げる。ただし言語を掲げることと、歌って自然に聞こえることは別の話だ。日本語の歌詞を入れたときのイントネーション崩れは、どの音楽生成AIでも完全には解消していない。

漢字仮名交じりのまま渡すと読みを外す。ひらがなに開く。あるいは意図した読みをカタカナで固定する。それだけで安定する。

曲の長さと部分編集

最大曲長はUdioのSessionsが15分で最長、Sunoが4分(延長可)、Google Flow Musicが3分。長尺のBGMやポッドキャスト用の背景音を作るならUdioが有利だった。書き出しが止まった今、その優位は実務で効かない。

部分編集ではUdioのMagic Edit(2秒単位)が細かい。Sunoは12ステム分離とMIDI出力に対応しており、DAWへ持ち込んで直す前提なら扱いやすい。

スペック比較

比較項目 Suno v5.5 Udio Lyria 3 Pro
音質 48kHzステレオ 48kHzステレオ 高(DeepMind開発)
最大曲長 4分(延長可) 15分(Sessions) 3分
部分編集 セクション単位 Magic Edit(2秒単位) セクション編集
ステム分離 最大12ステム 位相整合Stem Sep 非対応
MIDI出力 対応(Studio) 非対応 非対応
MV同時生成 非対応 非対応 対応(Veo連携)
レーベル提携 係争が残る UMG・WMG・Merlin・Kobalt Google自社データ

用途別に音楽生成AIを選ぶ

スペックの優劣で決めない。作りたい成果物から逆算したほうが早い。典型的な3ケースに絞る。

YouTube BGM

推奨: Suno Pro($10)

収益化アカウントで使うので有料プラン必須。月500曲の生成枠があれば個人チャンネルの需要は十分に足りる。書き出し制限がないため編集ソフトへの持ち込みも自由。

クライアント納品

推奨: Suno Premier($30)

Studioでのマルチトラック編集とMIDI出力が効く。修正指示に対してステム単位で直せるため、やり取りの往復が減る。納品形式の自由度が最も高い。

MV込みで作る

推奨: Google AI Pro($19.99)

Veo連携で楽曲と映像を同じ導線で作れる。無料枠でも商用利用が認められているため、試作から本番まで切れ目がない。3分制限だけ注意。

映像側の選定も同時に考えるなら、動画生成AIの比較記事と合わせて読むと全体の予算が組みやすい。

BGM特化サービスという第4の選択肢

Soundraw、AIVA、Mubertといった特化型の音楽生成AIも候補に入る。各社は学習データを自社保有音源に限定しており、レーベルとの係争リスクが構造的に低い。

歌モノは作れない。それでも動画の背景音だけなら十分に足りる。権利面の説明責任が重い企業案件では、この安心感が価格差を上回る。

歌モノが必要

Suno / Udio / Google Flow Music

ボーカル付きの完成曲を作れる。ただし著作権の帰属と訴訟リスクは残る。

BGMだけでよい

Soundraw / AIVA / Mubert

自社学習データのみで収益化トラブルが起きにくい。クレジット表記が条件のプランもある。

プロンプトの書き方で仕上がりが変わる

どの音楽生成AIでも共通して効くのは、ジャンル・テンポ・楽器編成・ムードを分けて指定することだ。1行に詰め込むと解釈が揺れる。

構造化して渡す

Genre: lo-fi hip hop, jazzy
Tempo: 82 BPM
Instruments: rhodes piano, upright bass, brushed drums, vinyl noise
Mood: calm, nostalgic, late night
Structure: intro - verse - hook - verse - outro
Vocals: none

項目を改行で分けるだけで、生成のばらつきが目に見えて減る。逆に「おしゃれなカフェのBGM」だけ渡すと、テンポも編成も毎回変わる。

歌詞にセクションタグを入れる

歌モノを作る場合、歌詞側に構成タグを埋めると展開が安定する。SunoとUdioはどちらもこの記法を解釈する。

[Intro]

[Verse 1]
あさひ が まど を こえて
しずかな へや に おちる

[Chorus]
とおく まで いこう
まだ みぬ ばしょ へ

[Outro]

日本語をひらがなに開き、分かち書きにしてある点に注意してほしい。漢字のままだと読みを外すことがある。カタカナで読みを指定する手もある。

除外指定で寄せる

Style: ambient piano, minimal
Exclude: drums, vocals, heavy reverb, EDM elements
Reference era: 1990s

入れたいものより、入れたくないものを書くほうが早く収束する。生成物が毎回派手になる場合は除外指定を足すとよい。

この組み立て方は他の生成AIと変わらない。プロンプトエンジニアリングの基本テクニックを押さえておけば、そのまま応用が利く。

つまずきやすいポイント

詰まるのは技術ではない。規約と運用の側だ。

よくある詰まり方と対処

  • 無料期間に作った曲を納品してしまう — 商用利用権は生成した時点のプランに紐づくため、有料化する前に作った曲は後から権利が付与されない。使わない
  • クレジットが月半ばで尽きる — ラフ出しは低品質モードへ
  • 日本語の歌詞が別の読みで歌われる — 歌詞をひらがなの分かち書きにする。固有名詞だけはカタカナで読みを固定しておくと、イントネーションの崩れもかなり減る
  • 書き出したファイルが使えない — Udioはダウンロードが停止中
  • YouTubeで著作権クレームが付く — 生成物が既存曲に酷似した可能性がある。異議申立を出す前に、生成に使ったプロンプトと日時のスクリーンショットを必ず保存しておく

最後の項目は軽視されがちだ。生成に使ったプロンプトと日時を残しておくと、クレーム対応の材料になる。スクリーンショット1枚で足りる。

副業として音楽制作に使う場合

月$10の投資で始められるので、参入コストは低い。ただし「AIで作った曲を売る」だけでは単価が上がらない。

値が付くのは、クライアントの映像に尺を合わせる、ブランドのトーンに寄せる、修正指示に即応する、といった調整作業のほうだ。生成そのものは誰でもできる。

その意味でSuno Premierのステム分離とMIDI出力は、単なる機能ではなく単価を上げる道具になる。関連する稼ぎ方は生成AIを使った副業10選でも扱っている。

よくある質問

無料プランで作った曲をYouTubeに載せてよいか

収益化していないチャンネルなら多くの場合問題ないが、収益化アカウントでは規約違反になりうる。Google Flow Musicは無料プランにも商用利用の許諾を付けているので、無料で始めたい場合はこちらが安全だ。

生成した曲の著作権は誰のものか

日本の現行解釈は明確だ。AIが自律的に生成した作品に著作権は発生しない。しかもSunoは所有権を手放さない。ユーザーに渡すのは商用利用権だけだ。楽曲を独占的に扱える前提で契約を組むと、後で足をすくわれる。

解約したら過去の曲は使えなくなるか

Sunoの規約では、加入期間中に生成した曲の商用利用権は解約後も維持される。ただし解約後に新規生成した曲には適用されない。

Udioは今後ダウンロードが復活するか

2026年7月時点で公式のアナウンスは出ていない。UMG・WMG・Merlin・Kobaltとのライセンス契約が順次進んでいることを踏まえると、権利処理の枠組みが固まった段階で再開する可能性はある。断定はできない。

JASRACに登録できるか

できない。著作権信託には楽曲の所有権が必要だが、主要サービスはいずれも所有権をユーザーに移していない。

どれか1つだけ契約するならどれか

Suno Premier。理由は次のまとめで書く。

まとめ:自分ならSuno Premierを取る

仕事で使う前提なら、選択肢は実質1つしかない。Suno Premier($30/月)だ。

理由は3つある。書き出しに制限がないこと。ステム分離とMIDI出力があるため納品形式を選ばないこと。そして月2,000曲の生成枠が、修正の往復に耐える量だということ。

Udioは音質も編集の細かさも優れている。それでも書き出せない以上、本番ラインには置けない。単価が最安でも使い道が閉じている。ダウンロードが復活するまでは検討の外に置いていい。

例外は2つだけだ。MVまで一気通貫で作る仕事では、Google Flow MusicがSuno Premierより効率がいい。無料枠で商用利用が通り、$19.99のAI Proだけで映像と音楽が揃う。

もう1つがBGM専業の企業案件で、ここはSoundrawかAIVAに切り替える。権利の説明が求められる場面では、自社データ型の構造的な安全性が価格差を上回るからだ。それ以外は全部Suno Premierで足りる。

今日やること

Suno Proに$10で加入し、上のプロンプト構造テンプレートをそのまま貼って1曲生成する。書き出したファイルを編集ソフトに読み込めるところまで確認すれば、自分の用途に足りるかどうかは判断できる。

2026年の音楽生成AIは、モデルの性能競争から権利処理の競争へ軸が移った。どのサービスも音は出る。詰まるのはその先だ。

他の生成AIとの併用を検討しているなら、主要AIサービスの比較記事、個別の詳細はCraftMusic.AIの解説も参考になる。