Vercel独自ドメイン料金|プラン別コスト検証2026
Vercelに独自ドメインを設定すること自体は無料。Hobby・Pro・Enterprise、どのプランでも追加料金なしでカスタムドメインを紐づけられる。ただし「ドメイン設定=タダ」と「サイト運用が無料」はまったく別の話だ。
月間PVが1万を超えたあたりから帯域超過料金が静かに積み上がり、気づけば月額$20のProプランを超える請求が来ていた——こういう報告はRedditやZennで珍しくない。実際にVercelの公式料金表を読み込み、各プランで独自ドメインを運用した場合の「本当のコスト」を洗い出した。
目次
Vercel料金プラン一覧(2026年4月時点)
Vercelの独自ドメイン料金を一言でまとめると「設定料ゼロ、運用コストはプラン次第」。3つの料金プランがあり、独自ドメインの追加はどのプランでも無料だが、��域・ビルド時間・商用利用の可否で実際に払���金額が大きく変わる。電気代と同じ二部料金制——基本料+使った分だけ上乗せ——と考えるとわかりやすい。
| 項目 | Hobby(無料) | Pro($20/月〜) | Enterprise(要問合せ) |
|---|---|---|---|
| 月額基本料金 | $0 | $20/ユーザー | カスタム |
| 帯域(Fast Data Transfer) | 100 GB/月 | 1 TB/月 | カスタム |
| Edge Requests | 1,000,000/月 | 10,000,000/月 | 無制限 |
| ビルド時間 | 100時間/月 | 400時間/月 | カスタム |
| 独自ドメイン数 | 50/プロジェクト | 50/プロジェクト | 無制限 |
| SSL証明書 | 自動発行(無料) | 自動発行(無料) | カスタム証明書対応 |
| 商用利用 | 不可 | 可 | 可 |
| 同時ビルド数 | 1 | 12 | カスタム |
Proプランは2025年9月にクレジット制に移行した。月額$20に$20分の利用クレジットが付属し、超過分だけ従量課金される仕組みだ。つまり基本料金の範囲内でほとんどの個人〜小規模チームは収まる設計になっている。
ただしHobbyプランの「商用利用不可」は見落としがち。独自ドメインでブログを運営し、広告収入やアフィリエイト収入を得る時点でグレーゾーンに入る。この線引きについてはVercel無料枠の商用NGの境界線で詳しく解説している。
独自ドメインにかかるコスト内訳
「Vercel 独自ドメイン 料金」で調べている人の多くが見落とすのは、コストがVercel・レジストラ・超過料金の3層に分かれている点だ。Vercelの独自ドメイン設定料はゼロだが、トータルの料金はそれだけでは決まらない。
Vercel側のドメイン設定コスト:完全無料
Vercelのダッシュボードで独自ドメインを追加する操作自体には課金が発生しない。Hobby・Pro・Enterprise問わず同じだ。SSL証明書もLet's Encrypt経由で自動発行されるため、証明書代もゼロ。
つまりVercelに払う「ドメイン設定料」は存在しない。
ドメイン取得・維持費用(レジストラへの支払い)
独自ドメインを使うには、当然ドメインの取得が必要。これはVercelとは無関係で、レジストラ(ドメイン販売業者)に支払う費用だ。
| TLD(ドメイン末尾) | 取得費用(初年度) | 更新費用(2年目〜) | 代表的なレジストラ |
|---|---|---|---|
| .com | 約1,400〜1,800円 | 約1,600〜2,000円/年 | お名前.com / Cloudflare Registrar |
| .jp | 約2,800〜3,500円 | 約3,000〜4,000円/年 | お名前.com / ムームードメイン |
| .dev / .io | 約2,000〜4,000円 | 約2,500〜5,000円/年 | Google Domains* / Namecheap |
| .app | 約1,800〜2,500円 | 約2,000〜3,000円/年 | Cloudflare Registrar / Namecheap |
ドメイン取得の詳細はお名前.com完全ガイドを参照。Cloudflare Registrarを使えば原価販売なので年間更新費を数百円安くできる。
DNS設定にかかるコスト
VercelにカスタムドメインをつなぐにはDNSレコードの設定が必要。設定方法は2パターンある。
パターンA:Vercel DNSを使う
ネームサーバーをVercelに向ける方式。設定が楽でCDN最適化の恩恵を最大限受けられる。追加料金なし。
コスト: 無料パターンB:外部DNS + CNAME
Cloudflare DNSなど外部サービスのまま、CNAMEレコードでVercelに向ける方式。既存のDNS設定を維持できる。
コスト: 無料(Cloudflare DNS無料枠)どちらの方式でもDNS設定自体に料金は発生しない。Vercel無料ドメイン設定の手順で具体的なDNSレコードの書き方を解説している。
Hobbyプラン(無料)で独自ドメインを運用する条件
「Vercelで独自ドメインを使いたいが料金はかけたくない」——その条件を満たすのがHobbyプラン。ただし3つの制約がある。
制約1:商用利用は規約違反
VercelのHobbyプランは非商用・個人利用に限定される。ブログに広告を貼る、ECサイトを運営する、クライアント案件のサイトを置く——いずれもProプラン以上が必要だ。
とはいえ実態として、月数百円のアドセンス収入程度で即BANされた報告はない。ただし規約上はNGなので、収益化を考えるなら最初からProプランを選ぶ方が精神衛生上も良い。
制約2:帯域100GB/月の壁
Hobbyの帯域上限は月100GB。Next.jsの静的サイトなら1ページあたり100-300KBほどだから、月間30万PV程度までは理論上耐えられる計算になる。
ただし画像が多いサイトや、ISR/SSRを多用するサイトでは1リクエストあたりの転送量が跳ね上がる。画像最適化なしで1ページ1MBなら、月10万PVで100GBに到達する。
制約3:チーム開発不可・ビルド1並列
Hobbyプランはシングルユーザー専用。共同編集者をプロジェクトに招待できない。ビルドも1件ずつの逐次処理なので、更新頻度が高いとデプロイ待ちが発生する。
Hobbyプランで独自ドメインが向いているケース
- ・ポートフォリオサイト(収益化なし)
- ・個人の技術ブログ(広告なし)
- ・プロトタイプの公開テスト
- ・学習用のサイト構築
ポートフォリオを独自ドメインで公開したいだけなら、Vercel Hobbyは最強の選択肢だ。年間コストはドメイン代の1,500〜3,000円のみ。React個人開発アイデア10選で紹介しているようなプロジェクトを公開するには十分すぎる。
Proプラン月額$20のコスパ検証
Vercelで独自ドメインの商用サイトを運営する場合、最低限必要なのがProプラン。料金は月額$20(約3,000円)。この$20で何が手に入るのか数字で検証する。
$20で得られるリソース量
Proプランの$20には$20分の利用クレジットが内包されている。つまり基本料金を払った時点で、以下のリソースが使える。
1 TB
帯域(Fast Data Transfer)
Hobbyの10倍
1,000万
Edge Requests/月
Hobbyの10倍
400時間
ビルド時間/月
Hobbyの4倍
月間PV別のコスト目安
静的サイト(1リクエストあたり平均200KB)を想定して試算した。
| 月間PV | 推定帯域 | Proプラン内で収まるか | 月額コスト |
|---|---|---|---|
| 〜50万PV | 約100 GB | 余裕 | $20のみ |
| 100万PV | 約200 GB | 余裕 | $20のみ |
| 500万PV | 約1 TB | ギリギリ | $20〜$25 |
| 1,000万PV | 約2 TB | 超過 | $20 + $150超過 |
月間100万PV以下のサイトなら、Proプランの$20(年間約36,000円)だけで独自ドメイン+商用運営が可能。レンタルサーバーのビジネスプラン(月2,000〜3,000円)と比較しても遜色ない。
むしろNext.jsのISRやEdge Functionsをフル活用できる点を考えると、Next.js開発をしているなら圧倒的にVercelが合理的だ。
隠れコストと超過料金の落とし穴
Vercelの独自ドメイン料金はProプランの$20/月で完結すると思いきや、そうならないケースがある。公式料金ページの下部に小さく書かれている超過料金の単価を洗い出した。
帯域超過:$0.15/GB
Proプランの1TBを超えた瞬間から、1GBあたり$0.15の従量課金が始まる。$75。500GBオーバーするとこの額が月額に上乗せされる。
Zennで「月$20のはずが$300超えた」という報告を検証したところ、原因はほぼ帯域超過だった。大容量の画像を最適化せずにホストしていたケースが大半を占める。
Serverless Functions:CPU時間課金
APIルートやSSRを使っている場合、Serverless Functionsの実行時間でも課金される。
Serverless Functions 超過料金(Pro):
- CPU時間: $0.128 / CPU-hour
- メモリ時間: $0.0106 / GB-hour
- 呼び出し: $0.60 / 100万回
Edge Functions 超過料金:
- リクエスト: $2.00 / 200万回(1,000万回の無料枠超過後)
静的サイト(HTMLのみ)ならServerless課金はゼロ。逆にNext.jsのApp RouterでSSRを多用しているサイトは要注意だ。
Analytics・Speed Insights:追加$10/月〜
Vercel独自のアクセス解析「Web Analytics」とパフォーマンス計測「Speed Insights」は、Proプランでも基本無料だが、データポイント上限を超えると追加$10/月が発生する。
Google Analyticsで代替すればこのコストは完全に回避できる。
超過料金を防ぐ設定
VercelダッシュボードのSettings → Billing → Spend Managementで月額上限を設定できる。上限到達後は超過課金ではなくサービスが一時停止する挙動を選べるので、予想外の請求を物理的にブロック可能。
Vercel vs Cloudflare Pages vs Netlify|ドメイン運用コスト比較
Vercelの独自ドメイン料金が適正かどうかは、競合サービスと並べて初めて判断できる。独自ドメインで静的〜JAMstackサイトを運営���る前提で、3社のコスト構造を比較した。
| 項目 | Vercel Pro | Cloudflare Pages(Free) | Netlify Pro |
|---|---|---|---|
| 月額 | $20/ユーザー | $0 | $19/ユーザー |
| 帯域 | 1 TB | 無制限 | 1 TB |
| 帯域超過 | $0.15/GB | なし | $55/100GB |
| カスタムドメイン数 | 50/プロジェクト | 無制限 | 無制限 |
| SSL | 自動(無料) | 自動(無料) | 自動(無料) |
| 商用利用(無料枠) | 不可 | 可 | 不可 |
| Next.js最適化 | 最高(公式) | 良好(@cloudflare/next-on-pages) | 良好(プラグイン) |
コストだけを見ればCloudflare Pagesが圧勝。帯域無制限・商用OK・無料。ドメインもCloudflare Registrarで原価購入できる。
ではなぜVercelを選ぶのか。答えはNext.jsとの統合度だ。ISR・Middleware・Edge Runtime・Image Optimization——これらがデプロイするだけで最適に動くのはVercelだけ。Cloudflare Pagesでは一部機能に制約がある。
自分ならこう選ぶ:静的サイトやHugo/Astroで構築するなら迷わずCloudflare Pages。Next.jsのフル機能を使いたいならVercel Pro。コストと機能のトレードオフは明確だ。
このサイト(AI Career Japan)はCloudflare Pagesで運営
参考までに、本サイトは静的HTML + Tailwind CSSの構成でCloudflare Pagesを利用している。独自ドメインの年間コストは約1,500円(.jpドメイン)のみ。ホスティング費用はゼロ。月間数万PVでも帯域課金の心配がない。
ケース別料金シミュレーション
Vercelの独自ドメイン料金が「結局いくらなのか」を3つのサイト構成で試算した。ドメイン代(.com想定、年間約2,000円)を含めた年間の実質出費だ。
ケース1:個人ポートフォリオ(月5,000PV)
構成
- ・Next.js静的エクスポート
- ・画像10枚程度
- ・SSR/APIルートなし
- ・収益化なし
年間コスト
約2,000円/年
Vercel Hobby($0)+ .comドメイン代のみ
ケース2:副業ブログ(月3万PV、広告あり)
構成
- ・Next.js + ISR
- ・画像多め(記事あたり5-10枚)
- ・AdSense広告配置
- ・アフィリエイト収入あり
年間コスト
約38,000円/年
Vercel Pro($20×12=$240≒36,000円)+ ドメイン代。商用利用のためPro必須
副業ブログで月3万PVなら、アドセンスで月5,000〜10,000円程度の収入が見込める。Vercel Pro代は十分ペイする。生成AIで月5万稼ぐ副業10選で紹介しているAIブログ副業なら、回収はさらに早い。
ケース3:スタートアップのWebアプリ(月50万PV)
Next.js App Router(SSR多用)、APIルート20本以上、チーム3名の構成。月間帯域200-500GB想定で請求内訳を分解するとこうなる。
月次請求の内訳(Vercel Pro × 3名):
基本料: 3名 × $20 = $60/月
Serverless: CPU超過 $20〜50/月(SSR量に依存)
帯域: 200〜500GBはPro含有1TB内 → $0
Analytics: GA4で代替すれば $0
---
月額合計: $60〜110
年額換算: $720〜1,320(約108,000〜198,000円)+ ドメイン代
稟議に出すなら「年間15〜20万円」で見積もっておけば安全だ。AWSやGCPでECS/Cloud Runを運用する場合と比べると半額以下に収まるケースが多い。
チーム開発でSSRを多用する場合、Serverless Functions の CPU時間が意外に積み上がる。3名体制で月$60の基本料+超過$20-50程度を見込んでおくと安全だ。
コスト最適化の実践テクニック
帯域超過で$300請求された事例は防げた。Vercelの独自ドメイン料金を抑える対策は全部で5つ、うち3つは設定変更だけで済む。
1. 画像はCloudflare R2やS3に逃がす
帯域超過の最大要因は画像だ。Vercelのアセットとして配信せず、外部CDN(Cloudflare R2は帯域無料)に画像を置けば、Vercel側の帯域消費を50-80%削減できる。
# next.config.js で外部画像ドメインを許可
module.exports = {
images: {
remotePatterns: [
{
protocol: 'https',
hostname: 'images.example.com', // R2のカスタムドメイン
},
],
},
}
2. Spend Managementで上限設定
Vercelの超過請求は月末に気づいても返金されない。事前にここだけ設定しておく。
Settings > Billing > Spend Management
└─ Monthly Budget: $30(推奨: 基本料の1.5倍)
└─ Action on limit: Pause(超過時にデプロイ停止)
これだけで月$300の請求が来る事故を100%防げる。設定に1分もかからない。
3. SSRを減らしてISR/SSGに寄せる
リクエストごとにサーバーが動くSSRは、Serverless Functions の課金対象。更新頻度が低いページはISR(Incremental Static Regeneration)に切り替えるだけでCPU時間が激減する。
revalidateを3600(1時間)に設定すれば、毎時1回だけ再生成し、残りはキャッシュ配信。コストはSSRの1/1000以下になる。
4. Vercel Analyticsを切ってGA4を使う
Vercel Web Analyticsはデータポイント超過で追加$10/月が発生する。GA4(無料)で同等以上の分析が可能なので、コスト削減なら切り替えて問題ない。
5. ドメインはCloudflare Registrarで取得
ドメインの年間更新費を最小化するなら、Cloudflare Registrarがベスト。卸値(ICANN原価)で提供するため、.comなら年間$9.77(約1,500円)。マークアップなし。
お名前.comのガイドで比較しているが、更新費だけで年間500〜1,000円の差が出る。10年運用すれば5,000〜10,000円。ドメイン���管の手間は30分程度なので十分ペイする。
注意:Hobby→Proへの移行タイミング
Hobbyプランで商用利用してVercelに検知されると、プロジェクトが停止する可能性がある。収益が月1,000円を超えたらProへの移行を検討すべきだ。移行自体はダッシュボードからワンクリックで完了する。
よくある質問
Vercelで独自ドメインを設定するのに料金はかかる?
かからない。Hobby(無料)プランでもPro/Enterpriseでも、Vercel側のドメイン追加設定は完全無料。費用が発生するのはドメインのレジストラへの年間更新料(.comで約2,000円/年)だけだ。
Hobbyプラン(無料)で独自ドメインのブログを商用運営できる?
規約上はNG。Hobbyプランは「非商用・個人利用」に限定されている。AdSenseやアフィリエイトで収益を得るならProプラン($20/月)への移行が必要。実際にHobbyプランで商用運営して停止されたケースも報告されている。
Proプランの$20/月で月何PVまで耐えられる?
静的サイトなら月100万PV以上。帯域1TB(Pro含有分)は、1ページ200KBの静的サイトで約500万PVに相当する。SSRを多用する場合はServerless Functions課金が別途発生するため、月50万PV程度が実質的な境界線になる。
Vercelで独自ドメインのSSL証明書は有料?
無料。全プランでLet's Encryptによる自動発行・自動更新が含まれる。証明書の手動管理は不要。
VercelとCloudflare Pages、独自ドメイン運用はどっちが安い?
Cloudflare Pagesが圧倒的に安い。帯域無制限・商用利用可で月額$0。ただしNext.jsの一部機能(Middleware、Image Optimization等)に制約があるため、Next.jsフル活用ならVercel Proの$20/月を払う価値がある。静的サイトやAstro/Hugoならコスト面でCloudflare一択。
Vercelの超過料金を防ぐ方法は?
Spend Management機能で月額上限を設定する。Settings → Billing → Spend Managementから設定可能。上限到達時にデプロイを一時停止する挙動を選べば、予想外の請求を物理的にブロックできる。
まとめ:Vercel独自ドメインの「本当の料金」
Vercelでの独自ドメイン設定自体は無料。コストが発生するのは以下の3層だ。
第1層:ドメイン代
年1,500〜4,000円
レジストラへの支払い
第2層:プラン料金
$0〜$20/月
商用ならPro必須
第3層:超過料金
$0〜数百$/月
帯域・Serverless超過
個人のポートフォリオ→年間2,000円。副業ブログ→年間38,000円。スタートアップ→年間10万円超。用途によって10倍以上の差が出る。
自分ならこう判断する。Next.jsを使うなら素直にVercel Pro。静的サイトならCloudflare Pagesで$0運用。迷ったらまずVercel Hobbyで始めて、商用化のタイミングでProに移行すればいい。
独自ドメインの設定手順はVercel無料ドメイン設定ガイド、Hobbyプランの制限についてはVercel無料枠の全体像で詳しく解説している。デプロイ手順から始めたい場合はVercel無料プランの全てを参照してほしい。