プログラミング

Vercelで無料デプロイする方法【Next.js対応】

読了時間: 約8分

Vercelは、Next.jsやReactアプリを無料で簡単にデプロイできるホスティングサービスです。GitHubと連携するだけで自動デプロイが設定され、わずか数分でWebアプリを公開できます。

この記事では、Vercelのアカウント作成からデプロイ、カスタムドメイン設定まで、初心者でも迷わないようにステップバイステップで解説します。

1. Vercelとは?

Vercelは、Next.jsを開発しているVercel社が提供するホスティングサービスです。特にJavaScript/TypeScriptベースのWebアプリに最適化されています。

Vercelの特徴

  • ゼロコンフィグ: 設定不要で自動的にビルド・デプロイ
  • 自動デプロイ: GitHubにpushするだけで本番反映
  • プレビューデプロイ: PRごとにプレビュー環境を自動作成
  • グローバルCDN: 世界中のエッジサーバーから配信
  • 無料枠が充実: 個人利用なら十分な容量
  • HTTPS標準対応: SSL証明書が自動で設定される

対応フレームワーク

Vercelは以下のフレームワークをサポートしています:

  • Next.js(最も最適化されている)
  • React(Create React App、Vite)
  • Vue.js / Nuxt.js
  • Svelte / SvelteKit
  • 静的サイトジェネレーター(Hugo、Gatsby等)

無料プラン(Hobby)の制限

項目 無料枠
帯域幅 100GB/月
デプロイ回数 100回/日
Serverless Functions 100GB-時間/月
ビルド時間 6,000分/月
カスタムドメイン 無制限

2. アカウント作成とGitHub連携

Step 1: Vercelにアクセス

vercel.com にアクセスし、右上の「Sign Up」をクリックします。

Step 2: GitHubでログイン

「Continue with GitHub」を選択します。GitHubアカウントとの連携を許可してください。

Step 3: プランを選択

プラン選択画面で「Hobby」(無料)を選択します。クレジットカードの登録は不要です。

これで準備完了

アカウント作成からGitHub連携まで約5分で完了します。

3. GitHubからデプロイする

GitHubにあるリポジトリをVercelにデプロイする手順を解説します。

Step 1: 「Add New Project」をクリック

Vercelのダッシュボードで「Add New Project」ボタンをクリックします。

Step 2: リポジトリを選択

連携したGitHubアカウントからデプロイしたいリポジトリを選択し、「Import」をクリックします。

Step 3: 設定を確認してデプロイ

プロジェクト設定画面が表示されます。Next.jsやReactなら自動検出されるので、通常はデフォルト設定のままでOKです。「Deploy」をクリック。

自動検出される設定:

Framework Preset: Next.js

Build Command: next build

Output Directory: .next

Step 4: デプロイ完了

ビルドが完了すると、自動でURLが発行されます(例: your-project.vercel.app)。このURLでアプリにアクセスできます。

初回デプロイ所要時間

アカウント作成からデプロイ完了まで約10分程度です。

4. Vercel CLIでデプロイ

コマンドラインからデプロイしたい場合はVercel CLIを使います。GitHubを経由せずに素早くテストデプロイしたい場合に便利です。

Step 1: Vercel CLIのインストール

npm install -g vercel

Step 2: ログイン

vercel login

ブラウザが開くのでVercelアカウントでログインします。

Step 3: デプロイ実行

# プロジェクトディレクトリで実行
vercel

# 本番環境にデプロイ
vercel --prod

vercelコマンドはプレビュー環境にデプロイ、vercel --prodは本番環境にデプロイします。

5. 自動デプロイとプレビュー

VercelとGitHubを連携すると、以下の自動デプロイ機能が有効になります。

1. mainブランチへのpush = 本番デプロイ

mainブランチにマージ・pushされると、自動で本番環境に反映されます。

2. プルリクエスト = プレビューデプロイ

PRを作成すると、そのPR用のプレビューURLが自動生成されます。レビュアーが動作確認できます。

3. コメント通知

デプロイ完了時にPRにコメントでプレビューURLが通知されます。

CI/CD不要

GitHub Actionsなどの設定は不要。Vercelが全て自動で行います。

6. カスタムドメイン設定

独自ドメインを使いたい場合の設定方法を解説します。

Step 1: ドメインを追加

Vercelダッシュボードでプロジェクトを選択 → Settings → Domains に移動し、ドメインを入力して「Add」をクリック。

Step 2: DNSレコードを設定

ドメインのDNS管理画面で、Vercelが表示する設定を追加します:

Aレコード: 76.76.21.21

CNAMEレコード(www用): cname.vercel-dns.com

Step 3: SSL証明書は自動

DNS設定が反映されると、VercelがLet's EncryptでSSL証明書を自動発行します。HTTPSがすぐに使えるようになります。

7. 環境変数の設定

APIキーなどの機密情報は環境変数として設定します。

Vercelダッシュボードから設定

  1. プロジェクト → Settings → Environment Variables
  2. 変数名(例: NEXT_PUBLIC_API_KEY)と値を入力
  3. 適用環境(Production / Preview / Development)を選択
  4. 「Save」をクリック

Next.jsでの命名規則

クライアントサイドで使う変数は NEXT_PUBLIC_ プレフィックスをつけます。サーバーサイドのみで使う変数はプレフィックス不要です。

Vercel CLIで設定

# 環境変数を追加
vercel env add MY_API_KEY

# 環境変数を確認
vercel env ls

8. よくある質問(FAQ)

Q. Vercelは本当に無料で使える?

はい、個人の非商用利用ならHobbyプラン(無料)で十分です。クレジットカード登録も不要です。

Q. VercelとNetlifyどちらがおすすめ?

Next.jsを使うならVercel一択です。Vercel社がNext.jsを開発しているため最適化されています。

Q. カスタムドメインは無料で使える?

Vercel側でのカスタムドメイン設定は無料です。ドメイン自体は別途取得が必要です。

Q. 自動デプロイはどう設定する?

GitHubリポジトリを連携するだけで自動的に有効になります。追加設定は不要です。

Q. Vercel CLIを使うメリットは?

ローカルからコマンド一発でデプロイできます。GitHubを経由せずにテストしたい場合に便利です。

9. まとめ

Vercelデプロイのポイント

  • 1. 無料で使える(個人利用・Hobbyプラン)
  • 2. GitHubと連携するだけで自動デプロイ
  • 3. PRごとにプレビュー環境が自動作成
  • 4. カスタムドメイン・SSL証明書も自動設定
  • 5. Next.jsと最も相性が良い

Vercelを使えば、複雑なサーバー設定やCI/CD構築なしに、プロダクションレベルのWebアプリを公開できます。個人開発やポートフォリオサイトの公開に最適です。

まずはGitHubにあるプロジェクトをVercelにデプロイして、その手軽さを体験してみてください。

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