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【2025年最新】Dify入門ガイド|日本語で始めるAIアプリ開発

読了時間: 約10分

Dify(ディファイ)は、プログラミング不要でAIアプリを開発できるオープンソースのノーコードプラットフォームです。チャットボット、文章生成ツール、業務自動化システムなどを、ドラッグ&ドロップの直感的な操作で構築できます。

この記事では、Difyの基本的な使い方を日本語で解説します。アカウント作成から最初のアプリ構築、ワークフローの作成まで、初心者でも迷わずに始められるよう、ステップバイステップで紹介します。

1. Difyとは?

Difyは、LLM(大規模言語モデル)を活用したアプリケーションを簡単に開発・運用できるプラットフォームです。「Backend-as-a-Service」と「LLMOps」を組み合わせた設計で、開発者だけでなく非エンジニアでも利用できるよう設計されています。

Difyの特徴

  • ノーコードでAIアプリを構築可能
  • GPT-4、Claude、Geminiなど主要LLMをサポート
  • RAG(検索拡張生成)を標準装備
  • ワークフロービルダーで複雑な処理を自動化
  • オープンソースで自前サーバー運用も可能
  • 日本語UIに対応

2023年にリリースされて以来、急速に成長しており、GitHubで50,000以上のスターを獲得しています。日本企業での導入事例も増えており、社内チャットボットやカスタマーサポートの自動化に活用されています。

2. Difyの主な機能と特徴

2.1 アプリタイプ

Difyで作成できるアプリケーションの種類:

アプリタイプ 説明 用途例
チャットボット 対話形式のAIアシスタント カスタマーサポート、社内FAQ
テキスト生成 単発の文章生成ツール 記事作成、要約、翻訳
エージェント 外部ツールを使う自律型AI Web検索、データ分析
ワークフロー 複数ステップの自動処理 業務自動化、データ加工

2.2 対応AIモデル

Difyは以下の主要なLLMをサポートしています:

  • OpenAI: GPT-4, GPT-4o, GPT-3.5 Turbo
  • Anthropic: Claude 3.5 Sonnet, Claude 3 Opus
  • Google: Gemini Pro, Gemini 1.5
  • その他: Mistral, LLaMA, Cohere, など

2.3 RAG(検索拡張生成)

社内ドキュメントやPDFファイルをアップロードして、AIに学習させることができます。これにより、自社固有の情報に基づいた正確な回答を生成できます。最新のハイブリッド検索にも対応しています。

3. アカウント作成と初期設定

Step 1: Difyにアクセス

公式サイト dify.ai にアクセスします。右上の「Get Started」をクリック。

Step 2: アカウント作成

以下の方法でアカウントを作成できます:

  • メールアドレスで登録
  • GitHubアカウントでログイン
  • Googleアカウントでログイン

Step 3: 日本語に設定

初期設定では英語になっている場合があります。右上のアイコン → Settings → Language で「日本語」を選択します。

Step 4: APIキーの設定

自分のOpenAI APIキーやAnthropic APIキーを設定することで、より多くのメッセージを利用できます。Settings → Model Provider から設定します。

無料枠について

Difyには無料枠(Sandbox)があり、OpenAI GPT-3.5で200回分のメッセージクレジットが付与されます。まずは気軽に試してみましょう。

4. 最初のAIアプリを作成する

ここでは、簡単なチャットボットを作成する手順を紹介します。

Step 1: アプリを新規作成

ダッシュボードで「アプリを作成」をクリック。アプリタイプから「チャットボット」を選択します。

Step 2: プロンプトを設定

「システムプロンプト」欄に、AIの役割や振る舞いを記述します。

あなたは親切なカスタマーサポート担当です。
以下のルールに従って回答してください:
- 丁寧な敬語を使う
- 回答は簡潔に
- わからないことは正直に伝える

Step 3: モデルを選択

右側のパネルで使用するLLMを選択します。GPT-4oやClaude 3.5 Sonnetがおすすめです。

Step 4: テスト実行

右側のプレビューパネルでメッセージを送信し、動作を確認します。

Step 5: 公開

「公開」ボタンをクリックすると、共有用URLが発行されます。このURLを社内メンバーや顧客に共有できます。APIとして呼び出すことも可能です。

5. ワークフローの基本

ワークフローは、複数のステップからなる処理を自動化する機能です。ドラッグ&ドロップでノードを接続して構築します。

ワークフローで使えるノード

ノードタイプ 機能
開始 ワークフローの入力を定義
LLM AIモデルを呼び出して処理
ナレッジ検索 RAGでドキュメントを検索
条件分岐 If-Then-Elseの分岐処理
HTTP リクエスト 外部APIを呼び出す
コード実行 Python/JavaScriptを実行
終了 出力を定義

ワークフローの活用例

  • 問い合わせ内容を分類 → 適切な部署に転送
  • レポートを自動生成 → Slack/メールに送信
  • ニュース記事を要約 → SNS投稿文を作成
  • 顧客データを分析 → インサイトを抽出

6. RAG(ナレッジベース)の活用

RAG(Retrieval-Augmented Generation)は、自社データをAIに学習させて、正確な回答を生成する技術です。

ナレッジベースの作成手順

  1. 左メニューから「ナレッジ」を選択
  2. 「ナレッジを作成」をクリック
  3. ドキュメントをアップロード(PDF、Word、テキスト、Webページ対応)
  4. チャンク分割とインデックス作成が自動で実行される
  5. アプリ設定でナレッジベースを有効化

RAGの活用シーン

  • 社内マニュアルを学習させたFAQボット
  • 製品ドキュメントに基づくサポートチャット
  • 法務・契約書の検索アシスタント
  • 技術ドキュメントの検索・要約

7. 料金プラン

プラン 料金 特徴
Sandbox(無料) $0 200メッセージクレジット、基本機能
Professional $59/月〜 5,000メッセージ、チームメンバー3人
Team $159/月〜 無制限メッセージ、高度な機能
Enterprise 要問合せ SSO、SLA、専任サポート

自前のAPIキーを設定すれば、Sandboxプランでも本格的に利用できます。セルフホスト(Docker Compose)を使えば、月額料金なしで運用することも可能です。

8. よくある質問(FAQ)

Q. Difyは無料で使えますか?

はい、Sandbox(無料)プランがあります。GPT-3.5で200回分のメッセージクレジットが付与され、基本機能を試せます。本格利用にはProfessional以上がおすすめです。

Q. プログラミング経験がなくても使えますか?

はい、ノーコードで操作できるため、プログラミング経験がなくても直感的にAIアプリを作成できます。ドラッグ&ドロップでワークフローを構築できます。

Q. 日本語に対応していますか?

はい、日本語UIに対応しています。Settings → Language で「日本語」を選択できます。公式ドキュメントも日本語版があります。

Q. どのAIモデルが使えますか?

OpenAIのGPTシリーズ、AnthropicのClaude、Google Gemini、Mistral、LLaMAなど主要なLLMをサポートしています。自分のAPIキーを設定して利用します。

Q. セルフホストは可能ですか?

はい、DifyはオープンソースのためDocker Composeで自社サーバーにデプロイできます。データを外部に出したくない企業におすすめです。

9. まとめ

Difyのポイント

  • 1. ノーコードでAIアプリを開発できるプラットフォーム
  • 2. GPT-4、Claude、Geminiなど主要LLMをサポート
  • 3. RAG機能で自社データを学習させた正確な回答が可能
  • 4. ワークフローで業務自動化を実現
  • 5. 無料プランあり、セルフホストも可能

Difyは、エンジニアだけでなく、ビジネスパーソンや企画職の方でも簡単にAIアプリを作成できる強力なプラットフォームです。社内のナレッジ活用やカスタマーサポートの効率化など、様々なシーンで活用できます。

まずは無料のSandboxプランで始めて、チャットボットを作ってみることをおすすめします。実際に手を動かすことで、AIアプリ開発の可能性を実感できるはずです。

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